「気密性」を高めたほうが良い理由

家作り
みなみ
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どうもこんにちは。本日は「気密性」について語っていきます。

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「気密性」とは何か?

日本エネルギーパス協会代表理事の今泉さんの説明を引用します。

気密性とは、「どれだけ隙間のない家か」ということ。
「風通しの良い家の方が良いんじゃない?」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、
すき間のある家は、温まりにくく、底冷えし、花粉や有害な科学物質が入り込んでいる可能性があります。

出典元はこちら→https://wellnesthome.jp/242/
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気密性が高い⇒隙間が少ない家

気密性が低い⇒隙間の多い家

ちなみに、ここでいう隙間とは「余分な隙間」のことです。

つくるつもりじゃないのにできちゃった隙間、ってことです。

家は現場で部材を組み合わせて建てていきますから、絶対に部材間の「継ぎ目」が発生します。

その「継ぎ目」にどうしても「隙間」ができてしまうので、なるべくその「隙間」を埋めていくことが気密性を高めるということです。

耐力面材と柱の隙間を埋めるために気密パッキン(ボードと柱の間の黒い部分)を入れたり、

室内側に防湿シートを張ったり、

貫通配管まわりをテープやパッキンを使って処理したりします。

(画像は藏家さんのHPからお借りしました)

気密性を高める工事は非常に手間がかかると言います。職人さんの熟練度も求められそうです。

紹介した写真を見ても、非常に丁寧な仕事が求められることが分かります。

そもそも「良い家」とはなんだ?

唐突で申し訳ないですが(笑)、僕が考える「良い家」の定義(の一部)は

耐久性と居住性が高いことです。

みなみ
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耐久性の高い家は、長い間暮らすことができます。それこそ子供や孫の世代まで。

耐久性の高い家には、耐水・耐紫外線・耐温度変化が求められます。

なぜならば水(湿気)・紫外線・温度(極端な高温、低温)が家に使用されている部材の劣化を促進させる要素だからです。

・耐水⇒雨漏り、湿気、結露を防ぐ

・耐紫外線⇒紫外線に強い外装材

・耐温度変化⇒構造材へ極端な高温・低温を伝えない

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さらに、居住性の高い家には、家族それぞれの居場所がある空間や外部(庭、借景)との繋がり、そして適温・適湿・清浄空気が求められます。

家は快適に、ここちよく、穏やかに暮らす場所だと思うからです。

窓から借景や庭で遊ぶ子供を眺める。

家族一人ひとりが思い思いの場所で過ごせ、でも一体感を感じられる。

みなみ
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こんな素敵な空間でも、めちゃ暑かったり寒かったりジメジメしてたり汚れた空気が充満してたら嫌ですよね??

だから、空間的な心地よさだけでなく空気の心地よさ(適温・適湿・清浄空気)も大事だと思うのです。

気密性が高いと「良い家」につながる

耐久性と居住性の高い家を実現するための根幹にあるものの一つが「気密性」です。

気密性を高めることで、

①躯体内への湿気の流入を防ぐことができ、構造が長持ちします。

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気密性が低い住宅の悲しいお話として「北海道ナミダダケ事件」というものがあります。気が向いたらご自身で調べてみてください。

②床の底冷えが軽減されます。

みなみ
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冬に暖房をすると暖かい空気は上へ行きます。気密性が低い家は天井や屋根の隙間から暖気がどんどん抜けていき、その代わりに床から外の冷たい空気がどんどん入ってきます。

気密性が高い家は、暖かい空気がしっかり家の中に留まってくれるので床の底冷えが軽減されます。

③夏のジメジメが軽減されます。

みなみ
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気密性の低い家では、夏は湿った熱気がどんどん外から入ってきます。

それが嫌でエアコンをガンガンにかけるけど、今度は寒い。

省エネにも健康にも良くない状態です。

気密性の高い家だと外気の影響を受けにくいので夏のジメジメも軽減されます。

④家の中に清浄空気を取り込み易くなります。

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気密性が低い家は、換気システムの給気口以外からの外気流入が増大します。給気口には花粉やPM2.5を除去するフィルターを取付けられますが、家の隙間にはフィルターはありません。

室内に汚染物質を取り込まないためにも、外気の取込みはなるべく給気口から行う必要があり、そのために気密性が求められます。

つまり、気密性の高い家とは、

構造が長持ちし、室内の温度・湿度を適切に保ちやすく、室内空気を清浄にしてくれる家

ということになります。

「気密性が高い」ってなんだ?

ここまでの解説で気密の重要性は凡そご理解頂けたものと思います。

(すでに知ってるわいという声も聞こえてきそうです。。。笑)

では、「気密性が高い」とは何をもって定義すれば良いでしょうか?

数値を持ち出すとすれば、一般的には「C値1.0以下」ということになりそうです。

「C値ってなんじゃい」という方ははこちら→アティックワークスさんによる解説
みなみ
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「C値1.0以下」の根拠としては、3種換気が設計意図通りに働くようになってくるのがこの辺りと言われているからです。

「高気密」の個人的な素人の見解

一方、僕の個人的な見解としては「C値0.5以下(新築時)」を「気密性が高い」と考えています。

根拠は2つあります。

根拠①1種熱交換換気の実効率と室内の気流

これについては、松尾先生とクオホーム本田さんの動画を見て頂くのが1番分かりやすいと思いますのでリンクを貼っておきます。

根拠②C値の経年劣化を考慮しておく。

C値(気密性)も経年劣化します。

築年数が経つにつれ、構造材が伸び縮みし、気密テープが少し剥がれ、何回か地震もあったり、等々していくうちに少しづつ気密性が低下していくことはやむを得ない現象です。

例えばC値が30年後に50%劣化したとしましょう。

新築時C値1.0の場合⇒1.0 x 1.5=1.5 > 1.0 (当然ですね)

新築時C値0.5の場合⇒0.5 x 1.5 =0.75 < 1.0 (50%劣化しても一般的な目安のC値1.0以下)

みなみ
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当然、C値は0.5よりも0.2や0.1のほうが良いに決まっています。

ですが、気密のことばかり考えて家づくりしてもそれはそれでよろしくないので(笑)、0.5を目指して、それより良い数値が出たらラッキー!ぐらいに考えてます。

気密測定は必須である

さんざん気密について書かせてもらいましたが、まだ続きます(笑)

気密性の高さを確認する「気密測定」は必須です。

C値は机上の計算値ではありません。実測値です。実際に測定するまで誰にも分りません。

こんな具合に家にバズーカ(笑)を仕込み測定します。

実測しないと気密性が分からないから必須ということもあるのですが、、、

気密工事をやってみる⇒実測する⇒数値を出すために改善する⇒技術力UP

という良いスパイラルに入るために必要なプロセスだからです。

施主からすれば、家は一生に一軒だけかもしれませんが、住宅会社は存続する限り家を供給し続けます。

日本に良い家が一軒でも多く建つために、ぜひ全棟気密測定を実施する会社が増えてほしいと思っております。

まとめ

ずいぶんと長くなってしまいましたが、まとめます。

・気密性は超大事なので全棟気密測定して高気密を目指すべきである

ちまたでは高気密高断熱について懐疑的な声も聞こえます。

断熱性をどこまで高めるかは地域性や費用対効果もありますし、そもそも日射のコントロールのほうが重要であるという意見もあります。

しかしながら気密性は断熱性能のグレードに関わらず、家の寿命を延ばし快適に暮らすために必須性能であると勝手に考えております。

みなみ
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そのためにも全棟気密測定を行う住宅会社が増えてくれればいいのにな、と思っております。

以上。

 

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