こんにちは。家づくりコンパス第二弾。
今回はややメンタル的な話になりますがお付き合いください。
家づくりでよく聞く「メリット・デメリット論法」
「メリットとデメリットを比較して仕様を選ぶのが賢い」
そう思っていた時期が私にもありました。。。
よく耳にしますね。
「〇〇はこういうメリットがあり、××はこういうデメリットがあるので、〇〇のほうがオススメ!!」
という論法。
ワタクシも「メリットとデメリットを比較して選ぶなんて、なんて合理的な方法なんだ!すごい!賢い!そんな方法で仕様を検討する自分も賢い!!」
と思っていた時期もありました。
家づくりが進んできて引き渡し間近になった今。
そんな考え方、比較方法、論法はあまり有効でないと考えるようになりました。
ではどんな考え方がよいのでしょうか。
メリットとデメリットなんて所詮人それぞれ
実際に例を挙げて考えていきましょう。
ただの例なので不正確な表現もありますが、ご愛嬌w
A建築会社「漆喰はメンテナンスフリーなんで、気になる部分を補修すれば何年でも使えます!すぐに傷んで張り替えしないといけないビニルクロスよりもメリットがあります!!」
B施主「あ、傷んだら張り替えて家の雰囲気を変えるのもいいですよね。そういうの憧れます。」
A建築会社「・・・」
A建築会社「絶対一種換気がいいです。家の温湿度を保つには必須です!!」
B施主「あ、こまめなメンテナンス無理なんで三種換気がいいです。」
A建築会社「・・・」
A建築会社「我が社の標準はガルバリウム鋼板の外壁で20年メンテナンスフリーです!!」
B施主「あ、でも屋根材はスレートですよね。屋根は15年でメンテナンス、外壁は20年?足場2回必要?」
A建築会社「・・・」
おわかりいただけただろうか。
全然噛み合ってねぇ・・・
上記の例では分かりやすくするために建築会社と施主の役割を統一させてもらいましたが、家づくりの過程においては逆の立場になることも往々にしてあります。
メリットだ!!と思って提案しても実は相手はそう感じなかったり。
逆にデメリットだ!!と思っていることが相手にはポジティブな情報だったり。
あると思います!
メリット・デメリットではなく「お付き合い」の仕方
とまぁ、メリット・デメリットなんていうものは「価値観」によって左右されるひどく不確かなものです。
ではどう判断すればよいか?
メリット・デメリットではなく「お金」をベースとした「お付き合い」として考えるべきだと思います。
先ほどの例をちょっと改変して考えてみましょう。
A建築会社「漆喰は〇年ごとに少し補修してあげれば長持ちです。初期費用が××万円ですがメンテナンス含めて考えると50年で××万円です。ビニルクロスは張り替えが必要で50年で△△万円です。」
B施主「それだけコストが変わるなら、お手入れの手間をかけて漆喰がいいですね。」
A建築会社「ありがとうございます。」
A建築会社「一種換気は導入費用が〇〇万円で、定期的な清掃が必要です。また20年程度で交換が予想されるので50年で××万円が必要なコストです。3種換気との総コストは△△万円変わりますが日々の室内環境はこれだけ違います。」
B施主「うーん、室内環境の良さは魅力的ですがコスト差には勝てないですね。」
A建築会社「かしこまりました。」
A建築会社「我が社の標準はガルバリウム鋼板の外壁で20年メンテナンスフリーです。ただ屋根材はスレートなので15年でメンテナンスとなり足場が2回必要なので総コストは〇〇万円です。屋根材もガルバリウムにしてもらえると初期費用が××万円上がりますが、メンテナンス含めた総コストは△△万円です。」
B施主「それなら屋根もスレートよりガルバリウムのほうがいいのかな?そうします。」
A建築会社「ありがとうございます」
おわかりいただけただろうか。
全て総費用に換算して話をしているため、「嚙み合ってない感」が消えます。
さらに言えば、材料・設備の特性を考慮してそれらとの「お付き合い」の仕方まで踏み込んで話しているのが分かります。
繰り返しますが、上記はただの例であり、総費用が上記の通りの大小になるかは分かりませんw
「家と何年付き合うか」
それを踏まえて最適な仕様を「お付き合いの仕方」+「総費用」を踏まえて決めるべきです。
最後に
今回は住宅業界にはびこる「メリット・デメリット論法」について書かせてもらいました。
お分かり頂けたと思いますが、メリット・デメリットは「人による」が当然なので、仕様選びの際は「お付き合いの仕方」+「総費用」で判断して頂きたいです。
最後に2つ!!
①「注文住宅」自体がかなり不合理な判断であるため「好きなものなら合理的判断無視して導入」という考えも良いと思います。はみ出たコストは別のところで補えば良い。
②「もう家建っちゃってるよ。。。」という人もいますよね。総費用を意識して建てられなかった人達。今からでも遅くないので建ててくれた会社へ行って今後の住宅メンテナンススケジュールを策定しましょう。いま直すべきところは直す、まだ大丈夫でも「今後修繕が必要」という部分がそれぞれあると思います。少しでも家のためにお金を貯めておいてあげて下さい。
家は家族の一員ですから、少しでも健康に長生きさせてあげて下さい。
家づくりチェックリスト
今回は(今回も?)具体的な話が無かったので恐縮ですが。。。
家づくりチェックリストに加える項目
・各部材、設備に必要なメンテナンス内容は明確か?
・足場が必要な外壁と屋根のメンテナンス時期は同じか?
はやく、チェックリストを完成させて公開したいですね~
コツコツ頑張ります!!
今回も読んで下さいありがとうございました!
ではまた~
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